現地調査で私が卒業式に参加できないため、2月28日に吉祥寺のブラジル居酒屋アルボラーダで早めに4年生のゼミ生の送別会を行いました(みんないい笑顔!)
3年生や新たにゼミ生になる2年生、帰国したばかりの学生たちも駆けつけてくれて、学生同士が私のゼミを通じてつながる嬉しい一日でした。懸念していた論文の執筆にも目途がたち、これで明後日から心残りなく調査にでかけることができます。
現地調査で私が卒業式に参加できないため、2月28日に吉祥寺のブラジル居酒屋アルボラーダで早めに4年生のゼミ生の送別会を行いました(みんないい笑顔!)
3年生や新たにゼミ生になる2年生、帰国したばかりの学生たちも駆けつけてくれて、学生同士が私のゼミを通じてつながる嬉しい一日でした。懸念していた論文の執筆にも目途がたち、これで明後日から心残りなく調査にでかけることができます。
はじめまして!
国際社会学部5回生4年生の浅見です。
私たち4期生は1月に卒業論文提出と卒論発表を終えて、
ドキドキしながら卒業予定者の発表を待っています。
無事に卒業できることを祈る日々です。
さて、今回は初めてのブログ執筆なので、私が舛方ゼミを選んだ背景を書かせていただきます。
私は1歳から6歳までの約5年間、南米大陸の北端にあるベネズエラという国に住んでいました。
移民の流入が多かった国なので、様々な文化が混ざり合ってきました。
多様な食や文化が楽しめるベネズエラでの生活は本当に楽しく、今でも家族とよく思い出話をします。
しかし、ベネズエラは貧富の差や独裁政権といった深刻な問題を数多く抱える国でもあります。
私たち一家も、2002年に発生したクーデターとそれに伴う治安の悪化により、日本への避難を余儀なくされました。
帰国してから長い年月が経っていますが、自分にとって馴染みの深いベネズエラの状況を改善したいと思い、
ラテンアメリカ地域研究を取り扱う舛方ゼミを選択しました。
ラテンアメリカ地域だけでなく様々な国と地域を専門とするセミ生が集まる舛方ゼミで、私は多くのことを学ばせていただきました。
これから大学やゼミを選ぶ皆さんも、自分が興味関心を持てる分野を見つけて、
研究に励んでいただきたいです。
それでは、ここらへんで失礼します
¡Ciao!
こんにちは!あけましておめでとうございます。
ご無沙汰しております。舛方ゼミ4期生の向井です。
先日2024年1月12日は卒業論文の提出締め切り日でした。無事全員提出できましたことをご報告させていただきます!
春学期からテーマ決め、問いの設定、文献のまとめ、事実関係の整理など卒論の土台となる部分で大変苦労しました。
論文を書くことの難しさが身に染みた1年間でした。。。
さて、実は先月東京外国語大学主催で、ラテンアメリカ研究合同ゼミを行いました!コロナ禍後初の開催となります。
神田外語大学、慶應義塾大学、上智大学、獨協大学の皆さんが参加くださりました!
卒業論文提出前に様々貴重なアドバイスを受けることができたと同時に、発表してくださった他大学の3年生の皆さんのレベルの高さに大変驚き、卒論執筆終盤のモチベーションアップにつながりました。
私たち4期生は来週の最後のゼミで4年間、さらにはこれまでのすべての教育過程を終えることとなります。木曜日の5限が秋学期最終授業となるので、ゼミ生の中には人生で最後の授業になる方もいるかと思うと大変感慨深いです…
最後の授業・ゼミは3・4年生合同の卒論発表会となります!
私たちの論文を3年生に読んでもらって、私たちの発表の後に質疑応答や議論を行います!両学年の引継ぎともいえるこの一大イベントを有意義な時間にできるよう、来週のゼミまでに発表資料を丁寧に作成したいと思います。
それでは、今までありがとうございました!
今後とも舛方ゼミをよろしくお願いいたします。
続いて他の4期生にバトンタッチしたと思います。
向井
久しぶりのブログ更新となりました。
5回生4年生の遠藤です。
9月の中旬に卒論の中間発表会を行いました。
博士課程のお二人にも来ていただき、貴重なアドバイスをいただきました。
私は現在企業や財界が絡む研究をしています。そのようななかで実際に大企業で勤められていたお二人のコメントは真新しく、大変勉強になりました。ありがとうございました。
さて、秋学期が始まり4年生は卒業論文を書いています。進捗は人それぞれですが、4(5)年間の集大成であるため全員が懸命に取り組んでいるところです。
私事ですが、10月29日に行われた水戸黄門漫遊マラソンに出走してきました。天候にも恵まれ、約1年ぶりにフルマラソンのベストを2分25秒更新することができました。今までは2時間台で走れれば合格という感覚でしたが、今回2時間50分を切ったことで40分切りという新しい目標に向けて頑張っていけます。たかだか2分25秒更新をするために毎日走っているのかと突っ込まれそうですが、コツコツと練習を積み上げベストを更新できたときの喜びは格別です!振り返ると初めてフルマラソンに出場したのが2019年の5月でタイムが3時間9分だったので、4年半の間に約20分縮めたことになります。走るのが辛い日もありますが、長期的に努力していると良いこともありますね。
卒論もマラソンのように険しい道のりですが、筆が進まない日でも少しでも考え、粘り強く書いていけば提出間近に切羽詰まることもないでしょう。12月には他大学との発表会もあるので4期全員で頑張っていきたいです!
それではそろそろ執筆に戻るので今回のブログ更新はこのあたとします。次は同期の○○さん、お願いします!
遠藤
こんにちは!5期ゼミ生、ラオス語専攻の北中遥です。よろしくお願いします!!
ブログはもちろん活動記録のようなものを書いたこともないので、うまく書けるか分かりませんが、少しでも本ゼミの魅力を伝えることができればと思います!
まずは簡単に、最近のゼミの授業内容についてお話ししようと思います。
最近のゼミでは、各々が興味のある問題に関する文献を読み、それに関する発表、ディスカッションを行っています。私は、人々の住宅をめぐる選択にまつわる問題を取り扱った『新築がお好きですか』を担当しました。出身地が過疎地ということもあり、地方創生や農村開発に興味を持っています。
本ゼミの一番の特徴は何といっても、様々な地域を専攻している学生が多いこと、そして関心のあるトピックも多岐にわたるところだと思います。
他地域を専攻してきた学生同士で議論を行うことで生まれる新しい視点や、異なる問題同士の見えない繋がりに気づくことができることが大きな魅力だと思います。一見全く関係のないような問題同士であっても、本質を見れば共通項が見えてくる、そういった視点を養うことができていると感じています。
それでは少し、専攻国のラオスについてお話ししようと思います!ラオスは東南アジア大陸部に位置する内陸国で、人口約700万人の小さな国です。ラオス文字はタイ文字とすごく似ているんですが、ラオス語は丸みがあってかわいいんですよ!
今年の春、初めてラオスへ渡航することができました。滞在したのは首都ビエンチャンのみでしたがすごく充実した滞在になりました。
ビエンチャンは世界一何もない首都、と言われるほど何もない都市なんです(笑) 一応観光名所はあるんですが、2日もあればすべて見て回ることができるほどの数です…。首都とは思えない程のんびりとした雰囲気が漂っている、そんな街です。ビエンチャンには国境となるメコン川が流れており、対岸にはタイがあります。メコン川沿いには広場、そして夜にはナイトマーケットが開催されます。
ビエンチャンで一番有名なスポットはパトゥーサイと呼ばれる凱旋門です。特に夜に訪れるパトゥーサイは、ライトアップもされていてとっても綺麗です!コロナ前は頂上まで登って、ビエンチャンの街並みを見ることができたそうなのですが、春の時点ではまだ登れず…。ラオスはフランスの植民地だったので、フランスの凱旋門の影響を受けてパトゥーサイをつくったそうです。
そして何といっても食べ物がおいしいです!ラオス料理は他の東南アジア諸国とは異なり、もち米を主食としています。代表的な料理はラープと呼ばれるもので、茹でた豚や鶏の挽肉を、煎った米粉、調味料、ハーブ類などと和えた料理です。トウガラシの辛味とライムの酸味が利いていて、とっても美味しいですよ!私のお勧めはカオピヤックと呼ばれる麵料理です。米粉のほかにタピオカ粉を混ぜた麺が特徴的で、モチモチとした触感が最高です。
フルーツも絶品で、今まで食べてきた果物は一体なんだったのか、と思わずにはいられないほど…。
まだまだ言い尽くせないラオスの魅力ですが、今回はこのあたりで次の方にバトンタッチしようと思います。最後にお気に入りの写真を載せようと思います。現地の日本語学科の学生とご飯を食べた時の写真です!
それでは!今後ともどうぞよろしくお願いします。
こんにちは!5期舛方ゼミにて副ゼミ長を務めております、国際社会学部3年の中﨑小春です。
これまでの人生で活動記録を書いたり、ましてやブログなどを書いたりしたことはなく慣れないのですが、簡単に自己紹介をしてみたいと思います。
東京外国語大学ではスペイン語を専攻していて、学術的な興味・関心としては、ラテンアメリカ、とりわけコロンビアの社会や歴史に興味があります。ラテンアメリカという地域は広く、日本に住んでいるとあまりなじみのない地域だと思いますが、私がラテンアメリカという地域に興味を持ったきっかけは、高校で習っていた世界史の授業でした。この地域の歴史について触れられるのは、せいぜい古代文明と大航海時代の植民の歴史くらいでした。あまり深く触れられていない、植民地時代の歴史や独立後の歴史をもっと知ってみたいと思ったのがきっかけです。でも、なぜ今自分がコロンビアという国に興味を持っているのかは、正直わかりません。(笑)
5月25日の授業では、『新築がお好きですか?—日本における住宅と政治』という本から、第3章・第4章の内容を報告し、ディスカッションを行いました。もともと建築や都市というトピックには興味があったので、意義のある授業になったと思います。
話は少し変わるのですが、私は今年7月初旬より派遣留学でコロンビアに行く予定です。メデジンという都市にある大学で、この都市はコロンビア第2の都市、日本で言うところの大阪みたいなところなのだそうです。先輩から聞いた話では、コロンビアの首都・ボゴタに住む人とメデジンに住む人では印象が結構変わるようで、ボゴタの人は冷たく、メデジンの人は陽気で明るい、みたいなイメージがあるらしいです。まさに日本の東京と大阪の関係に似ていますね(笑)
ともかくラテンアメリカやコロンビアについては無知も甚だしいので、現地に行っていろいろ体験するのが楽しみです!そのためにスペイン語の勉強も頑張っている…はずです!
また少し脱線しますが、昨年夏にショートビジットでスペインのサラマンカという都市に1ヶ月語学留学をしました。サラマンカはスペインで最も古い大学がある学術都市で、かのコロンブスも滞在したといわれています。都市の規模としては大きくはなく、人口は14万人ほどで、これは東京都中央区の人口と同じくらいです。このような由緒正しい都市なので、ここで話されるスペイン語はスペイン国内で最も美しいといわれています。語学プログラムも充実した内容で、貴重な体験をすることができました。
実はここで話したいのはサラマンカのことではなく、プログラムが終了した後に行ったヨーロッパ一人旅の内容です。一人旅は初めてで不安でしたが、なんとか大きなトラブルもなく無事に帰国することができました。8月末にプログラムを終えてサラマンカを出発し、スペイン国内を巡りました。首都マドリード、グラナダ、バルセロナを巡り、そこからフランスに入り、パリを観光しました。その後はイタリア方面へ出発し、トリノ、ミラノ、ヴェネツィア、フィレンツェ、ローマを巡りました。我ながら長旅だったとは思うのですが、大変貴重な経験でした。
この一人旅の中で一番のお気に入りの都市はバルセロナです。バルセロナといえばガウディですよね!かの有名なサグラダ・ファミリアや、カサ・バトリョ、カサ・ミラ、グエル公園など、ガウディが手がけた建築を中心に回りました。サグラダ・ファミリアにはかなり強烈な印象を受け、とても感動しました。ここで語り始めてしまうと本当に長くなってしまうのでやめておきますが、とにかく曲線美がすごかったです。また行きたいな〜。
また、今回の旅ではイタリアに一番長く滞在したのですが、やはり最高ですね。スペイン語を勉強している身でなんですが、ヨーロッパの国の中ではイタリアが一番好きで、建築も食べ物も本当によかったです。ヴェネツィアなんか、地上の楽園みたいでした。フィレンツェも、メディチ家の歴史が色濃く残っていて興味深かったです。
だいぶ長くなってしまったのですが、今回はこの辺でやめて次の方にバトンタッチしたいと思います。読んでいただきありがとうございました!
この度、舛方ゼミ5期生としてこの活動記録に参加することになった、
アフリカ地域専攻の國分と申します。
この活動記録を投稿するのは初めてなので緊張しますが(笑)、このゼミに興味を持っていただいた学生さんにとって少しでも有益な情報をお届けできるよう頑張ります!
ちょうど一年前、大学2年の春にゼミ選択が迫っている中で、私は研究テーマを決められず、困っていました。
というのも様々な学問分野に興味を持っていたのですが、「これ」といった特定の研究テーマを決められず悩んでいたのです。
そんな時に、サークルの先輩でもある4期の向井さんから、このゼミでは「様々な異なる研究テーマを持った学生が集まって、互いの分野や専攻について学び合う、そして入る時に研究テーマが具体的に決まってなくても問題ない」ことを教えていただきました。
実際にゼミの説明会に足を運んでみて、舛方先生や先輩の遠藤さんと話すことで
「このゼミで学んでいくことで、自分が本当に学びたいことが見つかるかもしれない」と思い、このゼミに入ることを決意しました。
幸い、2年の秋には「都市」について研究したいと気持ちが固まり、今は都市についての本や論文を読んだり、街歩きをしてみたりと、少しずつ少しずつ研究が進んでいる気がします。
舛方ゼミの具体的な授業内容に関しますと、
それぞれの学生が興味のある分野の論文・本を選び、その内容を全体で共有してディスカッションするという流れです。
先週の授業の発表担当は僕で、「アジアとラテンアメリカの都市」について扱った本の「周縁的な都市におけるグローバルな都市」についての1章を扱いました。自分一人で文章と格闘していたときには気づかなかった点がクラスメイトのコメントから浮かびあがり、さらに学びが深まりました。
勉強に関しての話はこの辺で、自己紹介がてら趣味について書かせてもらいます。
サッカーの観戦・応援が好きで、特に地元埼玉県のサッカーチームである
「大宮アルディージャ」というチームを小さい頃から応援しています。
(アルディージャのゴール裏の写真です)
ところで、皆さんはスポーツ観戦について、どのような印象をお持ちでしょうか?
完全な主観ですが、他の娯楽と比べて、不確実性が高いように感じます。
例えば、ネットの口コミの評価が高い映画を見に行けばかなりの確率で良い気分(泣いたり、笑ったり、晴れやかな気持ちになったり)で劇場を後にすると思いますが、
スポーツ観戦ではそうはいきません。面白かった試合もあれば、面白くなかった試合もあります。2つのチームが、そしてそのサポーターが、勝者と敗者に分かれてしまうのです。いい作品であれば、劇場のみんなが幸せになれる映画とは、この点で異なっています。
負けた試合の後はとても落ち込みますし、 その感情は次の試合まで引きずります。
私が応援するアルディージャは昨シーズン42試合中10試合しか勝利することができませんでした。
往復交通費宿泊費5万円以上かけて山口県まで行き、雨の中、2月の寒さの中、凍えそうになりながら応援したにもかかわらず、完封負けを喫した際にはとても悲しい
気持ちになりましたが、、、
(負けた試合の後も、次の試合に向けて選手にエールを送ります@山口)
それでも、応援をやめないのは、勝った時が嬉しいからなんです!
試合中は90分飛び跳ね、声援を届け、選手とともに戦います。
チームが良い時も悪い時も支えるのがサポーターだと思うので、
チームは現在J2最下位と苦しい時期ですが、応援を続けたいと思っています。
こんな自分ですが、ゼミに関わる先生、先輩方、同級生の方、ゼミに興味を持った方、今後ともよろしくお願いいたします。
長くなってしまったので(笑)、次の人にバトンを渡したいと思います。
はじめまして!
この度舛方ゼミの5期ゼミ長を務めさせていただく、スペイン語科の新貝友梨乃と申します。どうぞよろしくお願いします!
私はジェンダー、男性学に興味があり、2年次にゼミを探していたのですが、国際関係論コースではなく、幅広い関心を持つ人たちと関われる舛方先生のゼミに参加することになりました! 舛方先生のゼミメンバーもゼミのポリシー通り、様々な語科出身で、様々な興味関心を持つ人々です。今期は12人もの大所帯で構成されており、多様性にあふれています。
ゼミが始まってもう2か月近くたちますが、今までの授業では主に地域研究とはなにかという知識を深められるような文献を読んで、その内容と自分の関心がどう関わっているかを考えつつディベートを行いました。先ほども述べた通り多くの関心テーマを持つメンバーが集まってディベートをするので、毎回のゼミ活動で自分が今まで考えたこともなかったような視点に触れることができます。これこそが舛方ゼミの醍醐味ではないでしょうか!
次回からは各メンバーが自分が特に興味のある範囲に関する文献を発表する予定です。今までとはまた一味違う形式なので、それぞれのメンバーについてよく知れるのではないかと楽しみにしています。
最後に簡単に私の自己紹介ですが、国際社会学部スペイン語科に所属しています。サークルはいろいろ入っていたのですが今はフロアボールサークルのみ所属しています。けっこうマイナーなサークルなんですが、ホッケーの親戚のようなスポーツでとても楽しいですよ!趣味は特にないです!なんでもそこそこ好きですが、大好きといえるものがないのが悩みです。これからに期待ですね。
最後に高校の時に留学していた時の写真がとてもお気に入りなので貼っておきますね!どこの国だかわかりますか??
長くなってしまいましたがしっかり楽しく活動していきたいと思います!よろしくお願いします!
今年2月末から3月末までのブラジルおよびカナダでの在外研究は、おかげさまで大きなトラブルもなく無事に終えることができました。協力してくださった皆様ありがとうございました。ところで「大学の先生は授業以外には何をしているのですか」という質問を学生からうけたことがあります。学生にとっては確かに授業以外でみる教員の姿は謎ですよね。教員の活動は、おもに研究・教育・大学運営・社会貢献にわかれますが、今回はその中でもおそらく多くの大学教員にとって一番の仕事の醍醐味である(在外)研究の様子を少し紹介したいと思います。
ブラジル・バイーア州サルバドール市
18年ぶりのサルバドールでした。サルバドールはブラジルに置かれた最初の首都で現在でも黒人の文化が根強く残る場所です。残念ながらサルバドールでは2020年から始まった新型コロナウイルスの感染拡大により多くの犠牲者がでましたが、私が訪れたときは世界中から多くの観光客がいました。かつての賑わいが戻っていることがわかって一安心でした。サルバドール滞在中は、バイーア連邦大学の先生や州政府の経済開発局の専門家から北東部で建設が進む風力発電などの再生可能エネルギー事業の現状についてお話を伺いました。
注:ブラジルの格闘技カポエイラをするカポエリスタたちと。こちらは真夏でとにかく暑くて、汗びっしょり。
注:バイーア州の再生可能エネルギーの状況に関して州政府の担当者からレクチャーを受けました。バイーアはブラジルの再エネ事業の先駆的な存在です。彼らのお話から中国やインドなどの新興国のインフラ支援により、風力発電や太陽光関連のビジネスをすすめることで北東部の開発を進める意気ごみが伝わってきました。
ブラジル・リオデジェネイロ州リオデジャネイロ市&サンパウロ州サンパウロ市
ブラジル政府のコロナ対応に関する二つの研究調査の一環として、リオ市とサンパウロ市の専門施設を訪問して研究に必要な資料を収集しました。
残念ながら世界史ではあまり紹介されないのですが、ブラジルは19世紀後半の帝政の時代から国をあげて医療・科学分野の促進に尽力してきました。リオデジャネイロにあるオズワルドクルス財団とサンパウロにあるブランタン研究所は、その代表的な施設です。この二つの施設は、現在の医療分野の最前線を担う組織であるとともにその歴史的な経験を残すために毎年の予算に応じてデジタルアーカイブ化を進めています。私が訪問した時も申請すれば貴重な史料を閲覧できるようになっていました。
注:軍政開始年のブタンタン研究所の報告書をみせてもらいました。話によれば、当時の科学者の中には軍政の成立とともにロシアに亡命を申請し、のちにイギリスに亡命したかたもいたそうです。軍政は国家運営のために医療制度をいかに利用しようとしていたのでしょうか。
他にもブタンタン研究所内では、私が訪れた3月にラテンアメリカで初めてワクチンに特化した博物館(ワクチン博物館)が開館していました。以下の写真はワクチン接種への抵抗感や不信感を和らげるために館内の一角に掲示された広告の数々です。ブラジルの医療史がいかに政府が市民に寄り添い、科学に対する信用を高めていくか苦慮する歴史だったかを物語っています。
貴重な史料の収集と保存にあたる歴史家たちには、深い尊敬の念を抱かずにはいられませんでした。私は歴史家ではないけれど、ブラジルの医療制度史の文脈からコロナ禍に直面した現状にどのような示唆をあたえることができるか、考察していきたいと思っています。
カナダ・ケベック州モントリオール市
汗だくになった暑い国から雪のふる寒い国へと向かいました。毎年3月から4月に国際関係論の研究者があつまる世界国際学会(ISA)に参加するためです。モントリオールで開催された今年のISAで私の報告は初日最初だったので、残りの学会参加はとても気楽に楽しめました。
学会参加は自らの報告だけでなく、海外の研究者とのネットワークづくりや新しい分野の研究動向をしることも大切な目的となります。ISAは今年から全面対面となって活気が戻っていました。個人的には一年に一度ラテンアメリカ出身の知り合いに会って、旧交を温められるのが本当に嬉しいです。ここに毎年来れるようにしたいという気持ちが日本に戻っても研究や教育活動を続ける動機の一つにつながっています。
ただし、カナダまでの旅費も物価も高くて、グローバル・サウスに属する多くの国出身の研究者にカナダ入国のビザが付与されなかったりと早期キャリア研究者のおかれた環境はますます厳しくなっていることを実感しました。グローバル・サウスの台頭はこの学会の多くのパネルの関心事項の一つでしたが、グローバル・サウスがグローバル・ノースの対抗軸であり続ける限りは、その垣根は一向になくならないことも学会が物語っていました。
私にとってISAは世の中には頭のよい人たちがいて、その人たちが世界を動かしていることを思い出す機会となっています。国際学会に参加すると自分の無力さを痛感しますが、これは研究者の私にとってはありがたいことでもあります。偽物ではないものを信じて追いかけることができるから私は研究活動を続けることができるのです。
このように普段の教育・大学の運営活動・社会貢献の他にも、大学教員には現地で調査して、論文にまとめて、学会で報告して、論文や書籍で出版する仕事も行っています。私の次の在外研究は、今年の夏にブエノスアイレスで開催予定の世界政治学会(IPSA)への参加と、その後の南米調査となっています。